2022/12/12 11:22



はじめまして、ILOYです。

ILOYと書いて「アイロイ」と読みます。コラム第1話ということで、少し緊張しながら、でもワクワクしながらこの記事を執筆しています。今回は、これからILOYを知ってくださったり、商品を購入してくださったりする方々のことを想像しながら、なぜブランドを立ち上げようと思ったのか、なぜILOYという名前になったのか、といった内容をお届けしたいと思います。



ブランド立ち上げまでのお話


ILOYは妻Kと夫Rが夫婦で営む、小さなブランドです。夫婦ともに元アパレル店員で洋服が好きだったことから、まだ交際中の頃に「いつか一緒にファッションブランドを始められたら楽しそうだね。」なんてことを話したことがありました。一方で、洋服が好きだからこそ、こだわりも強い。「中途半端なものをつくるくらいなら、やらないほうがいい。」という意見も一致。「どうすれば私たちが自信を持ってお届けできる商品がつくれるのか。」「私たちはどんな商品をつくりたいのか。」ということを真剣に考え始めました。


考えれば考えるほど、よくわからなくなってくるもの。焦らずゆっくりと考えているうちに歳月が経ち、同棲を始めることに。このとき、ある課題に直面しました。洋服好きがふたり揃うと、収納が全然足りない!!!! 当たり前といえば当たり前ですが、それを強く実感する瞬間でした。その後、溢れかえった洋服たちと生活をするなかで、妻Kは夫Rの洋服をよく借りて着るようになります。それまでもお互いのあまり着なくなった洋服を譲り合っていましたが、同棲を機に洋服を兼用することが増えるようになりました。


そんな日々を過ごすなか、ある日、夫Rがひらめきます。「夫婦で兼用することを前提に、洋服をつくったらどうだろうか。」と。実際にGoogleで検索してみても、出てくるのは「夫婦コーデ」のまとめ記事ばかり。意外にも、夫婦で兼用することを前提にしたファッションブランドは見つかりませんでした。妻Kとも話し合い、「夫婦がつくる、夫婦のための洋服」という方向性がかたまります。


しかし、私たちには、まだモヤモヤした気持ちが残っていました。「別に、どの洋服でも兼用しようと思えばできるよね。」ということに、もどかしさを感じていました。今思えば、私たちがブランドを通じて届けたい体験や意味がどこか欠けていたんだと思います。また考えて、考えて、考えて、という日々のなか、ILOYという名前との出逢いが転機をもたらしてくれました。



ILOYという名前に込めた想い


モヤモヤした気持ちを抱えながら、ブランド名を考え始めた私たち。いろいろなアイデアを検討するも、シンプル志向な私たちには、飾り気の強い言葉だと、どうもしっくりくるものがなく。原点に立ち返ろうと考え、たどり着いたのが「1104」という数字。私たち夫婦が交際を始めた日であり、結婚記念日でもあります。私たちにとって大切な日だからこそ、「夫婦のためのブランドであり続けるために、私たち夫婦が本当に欲しいものを追究する」という意志を込められるような気がしました。


その一方で、「私たちの記念日を、お客さんに押し付けるのもなんだかなぁ。」という気持ちも。また、ずーっと考えているなかで、あるとき「1104」のシルエットに着目しました。「1」は「i」や「l」、「0」は「o」、「4(上をつなげない書き方をイメージ)」は「y」に似ているなと。これらを大文字でつなげたのが「ILOY」です。


「アイロイ」という読み方の聞き心地がよかったり、シルエットにこだわった洋服をつくりたいと思っていたり、といった理由から、しっくりくる感覚がありました。そのなかでも、決め手となった理由は、偶然にも「I love only you.」の頭文字を紡いだ言葉だったこと。夫婦で交わし合ってほしい想いそのものだと思いました。


このとき、どこかモヤモヤしていた気持ちが晴れたような感覚がありました。私たちが届けたいのは、洋服ではないことに気づいたんです。たしかに洋服は、取り扱いたい商品のひとつ。でも、その洋服を夫婦で兼用することを通じて、想いを交わし合うきっかけをつくりたかったんだと。「夫婦のための洋服」ではなく、「さりげない愛言葉」を届けるブランドを目指すことを決めました。


実際、私たち夫婦は「愛してる」「好き」という言葉を口にすることがほとんどありません。でも、ものの兼用をはじめ、ふたりの共通点をつくりながら生活をともにすることで、お互いの気持ちは伝わり合っているように思います。なんだか照れくさい気持ちを言葉にするのは、もっと、とてつもなく照れくさいものです。もちろん言葉にすることはとても素敵なことですが、言葉にすることなく、さりげなく伝わることも素敵なんじゃないかと思うんです。


日常のなかに溶け込むけど、ちょっと気分があがる。そんな、まるで花のように、夫婦で贈り合ったり、共有したりできる商品をつくりたいと思っています。どうかILOYが、夫婦で想いを交わし合うきっかけになりますように。